中村桂子 展 (版画)

7月24日(月) - 8月5日(土)
11:00-19:00 (最終日1階のみ17:00まで) 日曜・祭日休廊

 

 版という「在るもの」を手にするうちに、必然的に「無いもの」の存在が気になってきました。
それは消失しているのではなく、むしろ視覚される現実の下に沈みこんで、「在るもの」の対として、目には視えない時間や事実が、そこには実に濃厚に積み上げられている、と感じたのです。
それを感覚や感性によるのではなく、物質の理の中で明らかにしたいと思いました。
そしてされは物質と虚構と三次元と二次元と、反復とずれと、相対する世界を自由に行き来できる版というすじ道を通すからこそできる測り方であり、ダイナミズムであると考えました。
 「在るもの」を「無いもの」の間を刷ることで幾度も行き来し、その間に横たわるものを確認してゆく作業は、つまりは生きるということに深く沿うているものだと、果てしなく転がる内に思うことでありました。

中村桂子 展1階会場中村桂子 展2階会場
mirror3
〈mirror3〉
2005年 木版、和紙(パネル装) 905 x 630 x 45mm (2枚組)

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